映画メモ

 
2017/10/14
「ノウイング」
原題:KNOWING (2009)

宇宙物理学者のジョンは、息子のケイレブが学校から持ち帰った、50年前のタイムカプセルから取り出したという紙を見て、恐ろしい事実に気づく。



50年前、ある小学校でタイムカプセルが埋められることになった。それぞれ思い思いのことを紙に書く中、ルシンダという女の子だけは、謎の数字の羅列をひたすら書いていた。
頭の中に勝手に流れてくるらしいその数字をつぶやきながら、一心不乱に書き続けるルシンダ。

50年後の現在、そのタイムカプセルが掘り起こされることになる。
埋められた紙はランダムで子供たちに配られ、ケイレブが持ち帰ったのは、ルシンダが書いた数日の羅列の紙でした。

ケイレブの父ジョンは宇宙物理学者なので、何となく紙に書かれた数字が気になって調べていくと、数字に隠された秘密に気づく。
紙に書かれた数字は、事件や事故が起きた日付と、その犠牲者の数だった。
しかも、数字は過去のものだけでなく未来のものまで入っていた。

未来の犠牲を未然に防ぐまでを描くハッピーな展開かと思いきや、なかなか救いがなく…。
途中で何となく「ノアの方舟」が連想できるので、自ずと結末も見えてくるんですが。
特にダイアナが死んだことで、ジョンの運命も決まったなーと。そうでなくてもダメだったかもしれませんが。作中ではジョンはそんなことを知らないのでとても切ない。

方舟に乗った者以外は全て死ぬのでそういう意味ではとてもつらいのですが、最もつらく感じたのはルシンダ。
最後の最後まで、自分の娘の最期の日まで知って、彼女は幸せだったのだろうかと思うと。

救いがないと書きましたが、厳密に言えばそうでもないのかもしれません。また新たに始めるのですから。でもそう簡単に割り切れないなぁ。
ただ、最後にジョンが両親や妹と運命を共にするのは感動でしたね。

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「エクスポーズ 暗闇の迷宮」
原題:DAUGHTER OF GOD (2015)

刑事のスコッティは、相棒のジョーイの死を調べようとするが、悪徳刑事だったジョーイのことを深く調べることを上層部はよしとしない。
そこでスコッティは一人で捜査を始めるのだった。



相棒の死を調べている刑事のスコッティ。唯一の手がかりは、ジョーイが残した写真に映っている女性。
ジョーイが死の直前に撮ったらしい写真の女性を追えば、何かがわかるかもしれない。
物語は、ジョーイの捜査と、写真の女性イサベルの2つが進行していきます。

イサベルは夫の弟と会った帰り道、地下鉄のホームで不思議な光景を目にします。
それは男が宙に浮き、こちらを見ている様子。信心深いイサベルは、自分は天使を見たのだと思う。

イサベルは保育士をしていて、特にエリサという女の子を気にかけている。
家に帰りたがらなかったり、家庭に問題があるようです。そんな時、イサベルの妊娠が発覚。
しかし夫は一年以上戦地へ行っている。ありえないことだが、イサベルは神の授けものと信じ、喜々として夫の家族に報告する。

夫の家族はイサベルの浮気と断定し、彼女の言う「奇跡」など誰も信じない。孤独を深めていくイサベル。
実家に戻ったイサベルは、自分と同じように孤独を抱えるエリサを助けたいと思い、自宅に匿う。

天使やら幻覚やら色々出て来るので、オカルト的な展開になるのかと思いきや、そうではなく。
ホームレスのおじさんがどう見てもイサベルを見て怖がっているので、これはあれかなーとちらっと思いましたが…悲劇ですね。
しかも、イサベルは父親から性的虐待を受けていたことが窺えます。

全てが最後に繋がる瞬間は構成的には楽しめましたが、イサベルが気の毒すぎてどうしようもない…。
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映画メモ | 大エルミタージュ美術館展